特別顧問の紹介と推薦人の推薦の言葉を紹介いたします。
< 特別顧問 >
矢澤 一良 やざわかずなが
早稲田大学 ナノ理工学研究機構 規範科学総合研究所ヘルスフード科学部門(研究院教授)
湘南学園50年ほど前の卒業生ですが、学園の卒園生である事を誇りに思っています。現在は早稲田大学規範科学総合研究所ヘルスフード科学部門の研究院教授を務めております。学園創立80年の記念碑として「カフェテリア」と運営母体となる「NPO湘南食育ラボ」の設立には大変敬意を表するものです。これをきっかけとしてさらに教育の一環である「食育」を進展させると同時にユニークな存在としての湘南学園のますますのご発展を祈るものです。
これまでの三つの教育である「知育(知識:頭の健康)」「徳育(心の健康)」「体育(体の健康)」を支えるのが「食」である事から、平成17年に食育基本法が成立して「食育」が国策としておし進めらて来ております。私たちの体は全て自分が食べたもので出来上がっている事を思うと、「何を、いつ、どのように食べるのか?」という事の教育がいかに大事なことであるかが判ると思います。「湘南食育ラボのカフェテリア」が先ず、この食育を教育する「ラボ」であり、生徒・学生に止まらず職員・PTA・卒園生・地域住民みなさんの「食による健康維持や予防医学」の実践を行う教育・研究・開発の現場であるという認識を持って戴きたいと思います。疾病予防は単に体の健康を維持して病気にならないようにする事に止まらず、「健康寿命」延伸と「医療費」抑制にもまた「経済力・国力」の増強にもなるものと認識をしております。「カフェテリア」を通じて「湘南食育ラボ」が目指すものは、徹底的に安全性・品質管理を追及した「体に良い食事の提供」と「食育」です。例えばコンピュータシステムを取り入れた「アレルギー情報」の管理など、中核になるNPO関連の方達ばかりでなく、多くの方達にこのユニークな存在を知って頂き、また幅広いご支援を戴きながらさらなる発展を進めて戴きたいと心より願う次第です。私も元より微力ではありますが、母校の為に何かお手伝いをさせて頂きたいと思っております。
経歴:
1972年 京都大学・工学部・工業化学科(福井三郎教授) 卒業
1973年 (株)ヤクルト本社・中央研究所入社、微生物生態研究室勤務
1986年 (財)相模中央化学研究所入所(主席研究員)
1989年 東京大学より農学博士号を授与される
2002年4月 東京水産大学大学院(現東京海洋大学大学院) 水産学研究科
2002年4月 ヘルスフード科学(中島董一郎記念)寄附講座 客員教授
2012年4月 東京海洋大学 特定事業 「食の安全と機能(ヘルスフード科学)に関する研究」プロジェクト(特任教授)
2014年4月 早稲田大学ナノ理工学研究機構 規範科学総合研究所ヘルスフード科学部門(研究院教授)
主研究テーマ:
1. 予防医学的食品・医薬品素材に関する研究
2. 海洋資源の有効利用に関する研究
3. 天然物の生理活性成分の探索と薬理学的研究
4. 微生物の新しい機能の探索に関する研究
受賞:
・平成6年 日本脂質栄養学会より学会賞「ランズ産業技術賞」を授与される。
・平成18年 マリンバイオテクノロジー学会より学会賞「岡見賞」を授与される。
社会活動・学会活動:
熊本保健科学大学(客員教授)、金沢大学医薬保健学域(客員教授)、中国瀋陽薬科大学(客員教授)、 日本脂質栄養学会(評議員・理事)、日本機能性食品医用学会(理事)、マリンバイオテクノロジー学会(理事)、日本臨床栄養協会(理事)、健康・長寿研究談話会〔旧ホスファチジルセリン研究会〕(会長)、アスタキサンチン研究会(世話人)、日本アントシアニン研究会(会長)、「日本を健康にする!」研究会(会長)、NPO法人健康食品フォーラム(理事)、日本農芸化学会(代議員)、新規素材探索研究会(幹事)、日本黒酢研究会(会長)、クリルオイル研究会(会長)など。
主な著書(全著書100冊以上):
「マリンビタミン健康法」:現代書林 (1999)
「ヘルスフード科学講座」:食品化学新聞社(2007)
「アスタキサンチンの科学」:成山堂(2009)
「マリンビタミンで奇跡の若返り」:PHP研究所 (2010)
「機能性おやつ」:扶桑社(2012)
など
学術論文(全論文130報以上(共著を含む))
特許出願 300件以上
< 特別顧問 >
中塚 一宏 なかつかいっこう
前内閣府特命担当大臣(食育担当)
私は、縁あって学生時代の五年間を、京都 比叡山延暦寺にて居候として過ごしました。延暦寺では、一日三度食事をいただくごとに、「食前観」を唱和しますが、その中に「つつしんで食の来由をたずねて、味の濃淡を問わず。その功徳を念じて品の多少をえらばじ。いただきます。」という一節があります。千年以上にわたって唱えられてきた言葉の深い意味を感じます。また藤沢市内の農家の古老からは、「人間は一里四方でとれたものを食べてれば間違いはない」というお話を伺ったこともあります。
かつてないほど食の安全に関心が集まる昨今、安全性だけではなく「食育」の観点からの試みは、全国からも注目されています。
学校、ご父兄はもとより、地域の皆さんのご理解とご協力なくしてはこの事業は成功しません。どうか今後とも食育ラボにご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
ホームページ http://www.nakatsuka-net.com
< 推薦人 >
辻 彰彦 つじあきひこ
学校法人湘南学園 第22代 理事長
食育への取組みを湘南食育ラボと共に
NPO法人湘南食育ラボの皆様。
いつも湘南学園生への心のこもった手作りごはんをありがとうございます。
カフェテリアは、主として中学生、高校生の昼食の場ではありますが、この春から小学校へのお弁当の提供もお願いすることになりました。出来立てほかほかランチは生徒たちを笑顔にし、自然と仲間との会話も弾んでます。そんな心あたたまる雰囲気をつくって頂き、改めて湘南食育ラボの皆様への敬意を実感しています。
さて、湘南学園は、昭和8年の創立以来、子どもたちの個性を尊重した自主性を育む自由な教育により、気品高く明朗な将来社会に役立つ人間を大きく育てるという建学の精神を守り、本年度80周年を迎えることができました。幼稚園、小学校そして中高一貫教育の中で、個性を伸ばす素晴らしい学園生活、教員の英知を結集した温かみのある教育、そして教職員と父母の手で運営されているユニークな学園でもあり、長きに渡り湘学流教育術が承継されてきました。時間をかけて守り続けたものがある一方で、80周年記念事業のひとつとしてカフェテリアの営業も始まり、厳選された食材、地産地消の考えに基づく本格的な食育への取り組みを進めて頂いております。そして、この食育は湘南学園の教育の新しい領域への挑戦であり、新しい魅力を作り出す投資でもあると思っております。
人は「生きている」のではなく「生かされている」という考え方があります。命あるものすべては自分の意思とは関係ないところで大いなる大地の恵みによって生かされているのです。人は食べ物から元気の源を頂き、生命が維持存続されています。また、その土地や気候にあった食べ物が季節ごとに収穫される、いわゆる旬の食べ物は、その時期に身体が最も必要としているものなのです。だからこそ美味しく感じるのでしょう。ところが、いまの若い人の中には、簡単、便利なインスタント食品を常食にしている人が少なくありません。たしかに、インスタント食品は賞味期限が長く非常時には強い味方になります。このインスタント食品が3.11の震災発生後から数ヶ月の間でどれだけの命を繋いだかわかりません。しかし、日常的に非常食に依存した食生活を送っていたら、必ず身体は悲鳴を上げ、健やかな心までも失われていくことでしょう。土地や気候にあった食べ物、季節ごとに収穫される食べ物をきちんと摂取していくことを継続し、身体だけでなく心のコンディションも整え、活力のみなぎる朝を迎えることで、一日全力で頑張れる心と身体ができると信じています。このように、人間の本来あるべき食事は、健康な身体を作るだけでなく、心まで明るくし、プラス思考を生み、その人の個性にさらなる豊かさを与えてくれるはずです。すでにご家庭ではそれを実践されていると思いますが、学園のカフェテリアでも同じことを目指していきたいと考えております。湘南食育ラボの皆様のゼロからのご努力が、すべての児童、生徒の心の拠りどころとして、また、温かさを感じる場となることを望んでおります。
どうぞよろしくお願い致します。